Tenner Dipper

 7セグメントLED表示器は秋月電子通商で扱っている4digitの高輝度のものを使用しました。個別の表示器を使うより配線が大幅に少なくなって便利です。表示器にはアノードコモンとカソードコモンのものがありますが、それぞれにあわせたプログラムが提供されています。回路はどちらでも同じです。(CC=>COUNTER2.Hex  CA=>COUNTETR3.Hex)

 電源は5Vの安定化したものが望ましいのですが、野外での使用が多いので単3乾電池3本を使用しました。


 ロングワーヤーをアンテナとして使う場合、インピーダンス整合を取らないとうまく波を乗せることができません。ワイヤーの長さを調整したり、チューナーを使って整合を取るのですが、そのワイヤーがどの周波数あたりでインピーダンス50Ωになるのかわかると調整がやりやすくなります。

@インピーダンスブリッジ部。
 アンテナのインピーダンスが50Ωに平衡するところを見つける部分です。インピーダンスが平衡するとブリッジのクロス部分に電流が流れなくなることLEDを駆動させることで表示させています。つまり、アンテナが50Ωに平衡したときLEDが消えて教えてくれます。

インピーダンスブリッジ回路

 使用方法
 インピーダンスブリッジの測定端子にアンテナとカウンターポイズ(アース)を接続します。VRを回し周波数を変えながらLEDが暗くなり、消滅するところを探します。そのときの周波数カウンター表示がそのアンテナのインピーダンスが50Ωになっている周波数です。自分の使いたい周波数と比べてその周波数が高いか、低いかがわかりますので、アンテナの長さを変えたりチューナーを使ったりして調整することができます。
 また、この装置の周波数を使いたい目的の周波数にあわせておいてからチューナーを調整しLEDが消えるようにすれば、不要な電波の送出により迷惑をかけることが少なくしてアンテナを調整することができます。この使用法が主体である場合にはRF源は可変でなくともよく、周波数カウンターも必要ありません。Xtalなどを使い周波数固定で発振させてインピーダンスブリッジへのソースとすればよりコンパクトな回路となります。(例えば、7Mhz専用のインピーダンスブリッジ)

 野外運用ではロングワイヤーを架設して運用することが多いのですが、このような測定装置があると調整がしやすく便利です。今回はネットから様々な情報や資源をいただくことができ、製作を楽しませてもらいました。多謝。

Link to

KD1JV

DL4YHF

 いつも使う機材が同じで、7MHzや14MHz帯での運用であるならば、特定の周波数で発振させ、そこでディップ点を見つければよいわけです。
 周波数固定で7MHz帯と14MHz帯のそれぞれ1つのだけで測定するようにアレンジをしました。周波数固定ですからカウンターも不要になります。
ただし、電圧によってPLLをコントロールしているので、電圧を安定させなければなりません。屋外での運用を想定していますから電池の006pを使い、3端子レギュレターで安定化するようにします。
2つの半固定VRでそれぞれの周波数を設定します。このときには周波数カウンターが必要です。スイッチを入れると14MHz帯になり、スイッチを切れば7MHz帯として動作します。
 電池での駆動ですがチューニングをするだけの使用ですからそこそこの期間使えます。

KD1JV SteveさんのホームページにTennaDipperという製作記事を見つけました。
 この製作は3つの部分から成っています。

B周波数カウンター部。
 どのくらいの周波数でインピーダンスブリッジが平衡したかを表示するため周波数カウンターが必要です。DL4YHF WolfgangさんがPicを使ったカウンターを紹介されているので使わせていただくことにしました。紹介されているのは5桁の表示ができる回路ですが、作りやすさから4桁としました。こちらもわずかな部品構成で組み上げることができます。PicのプログラムはDL4YHFのホームページからダウンロードさせていただきました。なお、この装置では大まかな周波数を知ることが目的ですので、厳密な較正をするためのトリマー回路は省略しました。ストレートの周波数表示だけの使用であればモード切替のプッシュスイッチも不要です。

Freq-Counter回路

ARF発振部。
 アンテナ調整はトランシーバーから電波を出して行うことが多いですが、不要電波を出さないで調整できることが望ましいです。そこで調整用の微弱な発振器をこの装置の中に内蔵してインピーダンスブリッジを駆動しています。74HC4046を使った、少ない部品構成でありながらVCOにより広い周波数範囲をカバーできる発信回路です。2つのレンジに分けられておりスイッチを入れることでハイレンジにすることができます。(おおよそLowRange 3〜11MHz HighRange 10〜28MHz)

PLL OSC with VCO回路

7,14MHz fixed 回路図

Special thanks to  KD1JV Steve, DL4YHF Wolfgang

7MHz,14MHz fixed TennaDipper